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長年の大酒のみの中高年者で血液検査などでいつも異常が出る方では、坐骨神経痛などに酷似したお尻の痛みを訴えることがあり、その中で特発性の大腿骨頭の異常などが関係していることがある。ステロイドの長期投与なども関係している。大腿骨の骨頭が潰れる病気を患っているケースがあり、体重が加わった状態での股関節の動きの制限、進行すると股関節の可動域制限による跛行を出すことがある。

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特発性大腿骨頭壊死とぎっくり腰

さて、本日はぎっくり腰の訴えをされる方の中で本当にごく稀にあるケースとして特発性大腿骨頭壊死という病気についてお話させていただきたいと思います。基本的には、この病気というものはすぐに整形外科に委ねる病気となりますので当院ではご相談をいただいたときに速やかに紹介するようにさせていただいており、これの治療そのものは行ってはおりません。

大腿骨頭が潰れる病気であり、坐骨神経痛であるとお尻の痛み訴えて来院されることが多い

この病気というものはご高齢者の方など比較的年配の方であり、坐骨神経痛と非常に症状が似ているので最初は『坐骨神経痛みたいだ・・』などとおっしゃられます。

痛みを訴える箇所は主にお尻で、お尻なのか股関節疾患なのか？非常に近接した部分の症状を訴えられます。

症状が進行し、壊死から圧潰すると自覚症状が現れる。

この病気というものは骨に壊死が現れるわけですが、初期の壊死だけの段階ではまったく痛みが現れず日常生活などにはまったく問題がありません。本人も骨が死んでいるなどまったく気がついておらぬことも多いです。ところがそれが進行して骨が体重によって押しつぶされ圧潰されはじめることでようやく痛みがあらわれてその痛みに耐えかねて来院されるわけです。『お尻が痛い！』とか『お尻のぎっくり腰』とか、先に述べた『坐骨神経痛のようだ』などと訴えられるのです。足を引きずってあるく跛行を呈したり、股関節の可動域制限を出すこともあります。

股関節に徒手抵抗を加えても自覚症状が出ないが体重が乗ったときにだけ痛みを訴える。

この病気というものは変形性股関節症や坐骨神経痛、中殿筋の障害などと酷似するのですが、筋肉のものでないことは徒手抵抗を加えて関節を動かしても痛みがあらわれないことからすぐに分かります。寝転んだ状態から全力に近い状態で力を入れても痛みが出ないのですが立ち上がると痛みがでます。坐骨神経痛などでは腰部に由来するものがありますが、上半身から体重を除圧しても股関節に体重が乗れば痛みを訴えます。また、変形性股関節症などであれば関節を動かしたときに筋肉から痛みを発することもありますがそういった兆候も見受けられません。したがって早期に普通の状態ではないことには気がつくことは可能です。

長年の大量飲酒やステロイドの長期服用などが影響する。

そして決め手になるのは長年の大酒飲み（大量飲酒）やステロイドの長期に渡る投与などになります。痛み止めとしてステロイドを用いているときには骨が弱まってしまいこのようにつぶれてくることはたびたびあることです。また、大量に飲酒している方では肝臓が弱って血流を作り出すために必要な代謝産物の生成が出来なくなったりと血流障害を作り出す原因となります。こういった血行障害が大腿骨の頭の部分の血流を障害を招いてしまいます。大腿骨頭はもともと血流が悪い部分なので血流が不足して骨が死んでしまうのです。

非常に稀な症例なので普通のぎっくり腰なら整体で対処できます。

今回お話させていただいた病気というものは普通に見られるぎっくり腰からしたらとても稀な発生確率です。したがって普通のぎっくり腰であればほとんどが整体で対処できますので、このようなものは本当に稀な確率で存在するものであるとお思いになってください。もともと大酒飲みの方で血液検査などで不安があり、なおかつ中高年の方であれば頭の片隅に入れておいていただけると良いでしょう。